メディア編集力ってそういうことだったのか?!

2012年05月02日

第29回WebSig会議(3月3日)とその私的延長戦(4月21日)をやって、自分なりに理解した「メディア編集力ってそういうことだったのか」について書いておきたいと思います。3/3については今更感もありますが、イベントレポートも兼ねて。

クラシコムで実践中のECのメディア化について

第29回WebSig会議(3月3日)では、「北欧、暮らしの道具店」運営する株式会社クラシコムの青木さんに自社での経験にもとづいて「ECのメディア化」について話をしてもらいました。発表スライドの見出しはこんな感じ。
第29回WebSig会議での青木さんのプレゼン内容。「事業紹介とこれまでの実績」「ECのメディア化とは何か?」「なぜECのメディア化が有効なのか?」「いかにメディア化するのか?」「まとめ」

WebSigの公式サイトにレポート(プレゼン資料アリ)がある他、当日のTweetはTogetterにもまとめられているので、内容と雰囲気はそちらでなんとなくつかんで頂くとして、ここでは詳細は省略します。

クラシコムの戦略を分解、再現性を検討する

4/21にやった延長戦(私的勉強会)では、「3/3のプレゼン内容を再整理して理解する」「(同じモデルを別の会社でやるとしたら)どこが転用可能か?転用する時の条件は?ということを検討する」という2点でグループワーク中心の勉強会を行いました。

(この勉強会はツイッターのつぶやきに反応して下さった@fujii_yujiさんを発起人として巻き込んで会議設計の大部分を作っていただきました。そして、会場はクラシコムのスタジオをお借りしての開催となりました。改めてありがとうございます。)

クラシコムの戦略の分解

クラシコムの構成を要素を整理した クラシコムの要素整理の枠組み まず前半は、クラシコムの構成要素をポストイットに書き出してそれを抽象度の高い概念から低いものへと構造的に分類・整理する、という作業を2時間ぐらいかけてやりました。ポストイットは模造紙に張付けてグループごとに整理した内容を発表。(左側の写真が整理に使った枠組み。右側が実際に片方のグループが作った模造紙。この写真だと構造化の部分が見えにくいですが、一応、ラインでつながってます)

これによって確認できたのは、「メディア化は(クラシコムの)目的ではなく、最愛戦略の中の手段として位置づけられている」という点です。さらにメディア化を実現するために、「編集方針」「ノウハウ」「組織」を作っているということ。

3月のイベントは、クラシコムの事例紹介だったのでそれはどんな会社にでも適応できるものではないし、あそこで語られていた手法を再現するとしたら同じような条件の元でないとカタチだけの真似事になってしまいます。「最愛指向」や「メディア化」という単語がキャッチーだったので記憶に残りがちですが、そこだけ切り出して他に転用してもダメなんだなということを視覚的に確認できました。

これらのことは青木さんのスライドを熟読すれば読み取れるんですが、プレゼンテーションという時間の流れの中では自分の中に落ちていなかったので、こういう構成だったのかと改めて理解できました。

と同時に、

  • メディア化は最愛戦略における戦術の一つだとすると、それ以外の方法で最愛を得ることも可能。
  • さらにいうと、弱者の戦略として最愛戦略以外の方法もあり得る。

というところも出て来たので、ちょっと考えてみました。

メディア化以外の手法だと、パッと思いつくのはカスタマーサポートを充実させているザッポス。最愛戦略以外の方法は、結局のところ難しいかもしれない。商品や立地、価格で勝負すると幸せになれないのでお金をかけずに「この店で買いたい理由」を作ろうとすると、必然的に人にまつわるものになるのかも。

クラシコムの手法を別の会社で再現するとしたら?

4月21日の会議の様子 4月21日の会議の様子後半のディスカッションでは、メディア化戦略の再現性について議論しました。根本的には「戦略レベルで会社の方向転換をしないといけない」という点は同意しつつ、どのプロセスで方向転換をするかという点については「(社内外の状況をひたすら頭で考えて)トップダウンでまず戦略を決めてから、それに沿った戦術を徐々に整理していく」という意見と「方向転換に必要な経験値の蓄積のために戦術レベルでのトライ&エラーを繰り返す」という意見が出ました。

ゴールは同じなので、事業主とエージェンシーという立場の違いなのかなと思いますが、ある程度の人数の社員がいたり、経営層にも意見が違う人がいるような会社では後者の手法でないと理解を得にくいのではないかな、いうのが僕の感じたところです。その前提でWebSig会議のもくろみに立ち返って、受託側として出来ることがあるとしたら「最愛戦略の全体感を示しつつ、クライアント社内で小さな成功事例を積み重ねるための提案・実施サポートを提供すること」なのかな。

社長の一声が効く規模の会社であればトップダウンの方がスピードが出るだろうし、そういうケースだと受託側は方向性がでてからしかサポートしようがないんでしょうね。

まとめ

この2回のイベントを通じてクラシコムの戦い方をじっくり観察した感想としては「とてもシステマティックな会社だなぁ」ということ。青木さんが考えた戦略に沿った戦術をスタッフの皆さんが実行して結果を出せている、という点でそう感じました。

かけ声としてだけの「最愛指向」や「メディア化」ではなくて、そこに向かって会社全体を変化させているのがすごいと感じると同時に、良いと分かっていても真似するのは大変だなぁ、というのがテーマに対して感じたことです。

あと、イベントのテーマとはズレますが個人的にとても刺さったのは「戦略は勝ち方を定義することで、それが正しければ戦術レベルでは何をやっても成功する。逆に言えばそういう状態を社内に作るのが戦略だ。」という旨の青木さんの発言。あと「戦略レベルの問題は戦術では解決できない」とも。

Web活用の手法や考え方を紹介する本やブログを読む時に、そのレベル感によって解決できる問題のスコープを考えるための視点が得られたのは大きな収穫でした。

投稿日:2012年05月02日 No Comments »

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